ASD一家の夫さま感覚過敏、他罰傾向
うちの夫さま、難病になりました。
病気や病状の前置きとして、ASDについてと、
夫さまが、どのような方なのかを説明させてください。
ASDとは
「Kaien」という発達障害の方の就職応援企業のホームページに、ASDについての分かりやすい説明があります。
「ASD」は ”Autism Spectrum Disorder (Disability)” の略で、日本語では「自閉症スペクトラム」と訳します。
ASD の人は、学校や職場など社会の様々な場面で人とのコミュニケーションや関わりに難しさが生じることが多くあります。また興味や関心が狭い範囲に限られやすく、独特のこだわり行動や振る舞いが見られることもあります。
他にも五感などの感覚が人よりとても敏感に感じたり、逆にほとんど感じない分野がある人もいます。
このような特性は人によってどの特徴が強く出るか、またどの程度の強さなのかもまちまちです。
全く同じタイプの人は二人といないと言ってもよいでしょう。
基本的に生涯これらの特徴を持ち続けますが、大人になり求められる行動基準が高くなってから初めて困難さが明らかになることもあります。
ASDの診断を受けていても、見事に一人一人違うので、人として付き合ってみると、なるほど~と分かると思います。
感覚過敏
夫さまは、ADHD(注意欠如・多動症)が目立ちます(子供のころは特に)。
また、ASDの特徴に、当てはまるところも多いです。
未診断ですし、傾向があるだけかもしれませんが、ASDについての説明の中からこだわりと感覚過敏に関連するところを紹介します。
感覚には、いろいろ*1あります。
夫の場合は、どこか、ひとつが過敏というより、これらの鈍感さ、敏感さがあるようです。
そこに、「夫の捉え方」「夫にとってのはずせないこと」が一緒になり、いろいろな反応をします。
そのひとつが「激怒、だんまり(最長記録2カ月弱)」です。
まとめると↓
感覚過敏・鈍感 + 捉え方 + こだわり
=激怒やだんまりとなります。
①痛みの強さは、大人の常識を忘れるほどなのか???
子どもの入園式でのことです。
前に座っていた3歳の子が、座ったまま椅子を上げ下げしていました。
その椅子の脚の一本が、夫の足の甲の上にあたりました。
その瞬間、「いてーっ」とでかい声をあげ、3歳児を強烈に睨みつける夫さま。
落ち着いてからも、
「ほんとに痛かったんだ、~謝りもしない」
と3歳児のことを本気で怒っているんです。
最初は人として大丈夫か? と思ったのですが、
似たようなことが何度かありました。
わたしの、あまい偏った判断ともいえますが
相手の理解度をおもんばかれないほどの
理性を超える痛みの強さなのではないかと思うようになりました。
② 体温調節いまひとつ?
36度5分の平熱が36度8分になると寝込んでいます。
また、少し暑くなると、血相が変わり「暑い暑い」とイライラモード全開
もしかして体温調節機能が悪い?
プラス、身体の微妙な変化をすぐに感じすぎてしまう?
③味覚嫌悪学習(ガルシア効果)が早すぎ
我が家の焼き魚事件
わたしの焼いた大きくておいしそうな魚、骨のあたりが生焼けでした。
少し食べて、あっ、生焼け。
わたしが、電子レンジでしっかり火を通そうと声をかけると
彼は断って、それを全部食べました。
よほどの後味だったらしく
その後、6年ぐらい焼き魚を見るのも嫌だと、好物なのに食べなくなりました。
これ、味覚嫌悪学習*2ではないかと思います。
こんなに強く嫌な味覚を学習するのって気の毒かも
それに振り回されているわたしも、かわいそう・・・
それに、生焼けの魚を出したわたしは恨まれている
④視覚から、嫌悪を学習?
Mamoru MasumotoによるPixabayからの画像
ついこの前は、白いごはんに髪の毛を、彼、みつけちゃいました!
取ると隠れていた髪の毛がどんどん長い姿を現していきました。
残りは食べず、その後も米飯を一切食べずに2週間経過。
白いごはんを見ると髪の毛が目に浮かんで気持ち悪いそうです。
食事が食べれなくなるほどとは、一種のトラウマといってもよいのかもしれません。
他罰傾向
夫は、いつも被害者の立ち位置にいます。
誰かが夫を嫌なめに合わせたとき、動機は関係なく、事実に対する怒りが強いです。
ときによって、たとえば赤ちゃんになら蹴られても怒らないかもしれません。
これくらい明らかだと分かるのかな。
でも、そのときは、親を怒るかな。
感覚過敏の説明で、幼稚園児への対応は痛みの強さのせいと書きましたが
他罰傾向の強さからなのか、説明不能、理解を越えています(笑)
石に躓いたら、石をこんなところに置いたのは誰だと怒ってますし。
やられ感が強いのは、確か
客観視の場面は増えている
焼き魚事件に比べ、白飯を食べることができない期間が短いのはなぜ?
そのとき、夫「まずいな、主食だよな(これから困る)」とつぶやいていたのです。
自分で予測している!
客観視できるのかと、わたしこのとき初めて知りました。
それから2~3週間後、「今日は少し食べてみようかな」とちょっとずつ食べ始めました。
これは、少しずつコントロールできるように成長中???
このような敏感さ、捉え方の独特さが、たぁくさんあるんです。
わたしが、夫の感覚過敏に気付いたのはいつ?
結婚前、「え? 怒っているの?」という不可解なこと、ありました、ありました!
それは今になって思うと分かることで、
当時は、ちょっとしたすれ違い程度に流れていき、もともとのところとは気付きませんでした。
気になるようになったのは、結婚2年後くらいから。
そして、食べ物の好き嫌いを言うようになったのは、結婚5年後くらい。
5年間、さわやかに「おいしい」って食べていた炊き込みご飯や丼ぶり系、
実は嫌いなメニューでした。
このような夫の敏感さは、
特発性間質性肺炎による体調の変化を自覚しやすくしているのではないか・・・
と私は思うのです。
カサンドラ症候群
「ときどき感覚過敏で意味不明に怒りますが、基本はいい人なんです」
このセリフ、DV被害者やパワハラ被害者の言葉ににていませんか?
家族にASDの人がいて、その対応をしているうちに、ASD特質からくる様々な理解不能の連続からサポートが必要になってしまうことです。
NHKハートネットに詳しくあります。
カサンドラ症候群について - 過去のカキコミ板 | NHKハートネット
もともと、優しく、家でもよく働き、正義感の強い夫です。
ただ、前触れなく(わたしにとっては)、激怒やだんまりが始まるんです。
このくり返される激怒、だんまりに心底傷つき、
「こういう、あり得ないような意地悪な人とは、一緒にいられない」と思いました。
そんなころ、子どもたちがASDの診断を受けました。
そして、子どもについての説明をきいて、
「もしかして、夫も? いじわるではない?」
「そうだとしてもひどすぎる!」
理屈と感情がごちゃまぜになりました。
定期的に医師と話す言葉は、結局夫さまの理解に役立つ内容。
わたしは、カサンドラ症候群状態であったと思います。
家族が皆で暮らしているのは、子どもたちの診断があったから。
そのとき丁寧に対応してくれた3人目の医師と出会えたから。
今もきついことがあります。
わたしの対応が変わったのか、夫さまが少しずつ変わったのか
わからないけれど、
冷静なこどもたちが、ときどきクッションになってくれ、
夫さまのよいところに注目できるときがあります。
そういうわけで、夫さまの病気にも、ときどき怒りながら付き合っています。