5人これから

こんな子育て、こんな家族がありますという話。

「ささいなことにすぐ「動揺」してしまう人」

何年か前から HSP(Highly Sensitive Person)という概念が急速に広がりました。

我が家では、わたしと、娘にこの気質が大きく表れていると思います。

今回は、わたしたちのことは後回しにし、その前置きをちょっと紹介します。

 

 

 一冊の本との出会い 

2002年、たまたま通りかかった本屋で立ち読みをしました。

本のカバーは、なんともいえない中間色の青みがかった紫を背景に、テディベアが写っていました。

題名は『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ』

 

そのころは、長男が学校でうまくいかなくなり、相談機関や病院に行きはじめたころ。

わたし、別に動揺してないけど、と強がりながら

表題とテディベアに惹かれ、何気なく手に取り、少し読んでびっくり!

あまりに、心に入ってきて「何、これ!」ってなりました。

そのときは、迷ったけれど、買わずに帰りました。

 

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Michelle MariaによるPixabayからの画像

でも、その本の内容が頭の中で繰り返され、日に日に気になり、

あんなマニアックな怪しげな本

私カモかなと思いつつも抑えきれず

題名を覚えていなので、ドキドキしながら同じ店の同じ本棚に行き、

「まだあった!」 と買っちゃいました。

こんなことは初めての経験です。

ネット検索だけではなく 

 ネットで検索すると、HSPチェックテストなど、豊富に内容が出ています。

でも、

そのようなテストで

「わたしは、2割しかいないとても敏感な人なの」

と知るだけではなく

まず、この本を読んでほしいのです

本を読んでわかること 

どうしてかというと、

単に、HSPにあてはまるかどうかということではなく

次のようなことが分かるかもしれないと思うからです。

  • 今まで自分をどんな人と思ってきたのか
  • 本当の自分はどういう人なのか
  • こういう自分を育てるにはどうしたらよいのか
  • 目をそむけていた自分の深い傷を知るかもしれない
  • 癒すプロセスを味わえるかもしれない

それは、この本の著者であり、心理学の研究家、大学教授で心理療法家のエレイン・N・アーロンさんとのカウンセリング疑似体験に近いかもしれません。

 

また、自分は特に敏感ではないと思う人でも、

身近にいる大切な人はHSPかもしれないと思ったとき、

その人に、どのように接するとよいのかが、

押しつけがましくなく書いてあります。

 HSPに関する本がたくさん出版される

この本のオリジナル版は、アメリカで1996年に発売され、ベストセラーになりました。

日本では、2000年12月が第1冊発行です。

わたしが手に取ったのはその2年あとです。

すでに第6刷が発行されていたので、

それなりに広がっていたとは思うのですが、

タイミングが悪かったのか、平積み、山積みされていたわけでなく、本棚に1冊だけ入っていたのです。 

 

本を読み、今までの自分の生き方に腑に落ちたわたしが周囲を見てみると

娘も含め、学校や社会でうまくやり過ごせない方に、

この気質を持っている人が、かなり多いという実感がありました。

当時、自然の成り行きで

そういうお子さんを持った知人たちに、この本を貸していました。

 

2008年 同じ富田香里さん訳で文庫が出たので、このころはかなり広がっていたと思うのですが、わたしの周囲ではまだ知られていませんでした。

そして、このときまで、表題に「HSP」とは書かれていません。

概念だけが先行しないようにとの配慮ではと密かに思っています。 

 

2011年には、精神科医の長沼睦雄先生が 

『活かそう! 発達障害脳 「いいところを伸ばす」は治療です。』

第5章で、刺激への応答の違いによる四つのタイプとして

33ページにわたり解説しています。 

 

 2015年には、HSC(Highly Sensitive Child)『ひといちばい敏感な子』

明橋大二先生訳で出版されました。

これを機に、勢いがつき、

長沼睦雄先生の他にもたくさんの方がHSCやHSP関連の本を出版され、

すっかりこの概念が広がりました。

 

私の勝手な考えでは、翻訳本が出てから10年以上たち、

長沼先生が、著書で、発達障害に関連しHSPの特徴を詳しく説明されたことが、

その後、一気に広がるきっかけ作ったということになっています(笑)

 

著者のエレイン・N・アーロンさんが、本書の中でレッテルを貼ることの利点を伝えたうえで、

たとえ共通の特徴があるとしても、ひとりひとりまったく違うのです。このことをどうかお忘れなく

と言っています。

これは、概念を広げると同時に、

レッテル貼りから起こり得る、理解されない思いに対し、

心の準備、守りを与えてくれているように思えます。

 

発達障害の診断名だけで、全てわかった気になる方が多いように

HSPやHSCという言葉だけで、分かった気になる方が多くいます。

これは、人に対してのときも、自分に対してのときもあります。

 

まとめ

『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ』おすすめしたいのは

ネットでHSPについて、ささっと見るのでは得られない、

自分にとっての次の一歩、役立つ何かがみつかるかもしれない本

を読んでみてということです。

HSCである子について知ることも大切ですが、

子どもに関わっている方がHSPであるなら、

自分のために知ってほしい内容が書かれています。

㊟ちょっと、吸いこまれるようで苦しい内容があるかもしれません

 

 肝心のHSPに共通してる特徴、わたしや娘については、次回以降に続きます。